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Greetings / 本初演によせて

チュアート・マシュー・プライス / Stuart Matthew Price

(原案・作詞・作曲)

東京の皆さん、こんにちは。
誰もが夢見る、自分の人生を永遠に変える人との出逢い。この企画を通して、私は二人のそういう相手と出逢いました。英美さんとティモシーです。この二人なくして、ベンとエイミーの物語が生まれることはありませんでした。
ミュージカルの制作は共同作業の積み重ねで、男女の関係にも似ています。ロマンスに身を委ねる楽しい時間があれば、歩み寄ることが必要な時もあります。どんな障害も力を合わせて乗り越えていくのです。
私は
14歳の頃から作曲をしてきましたが、これほど心に響く企画は初めてでした。ミュージカル座から依頼を受けた時、「どうして自分に?」と驚きましたが、挑戦を受け入れ、今までにない二人芝居をどう描いたらいいか、構想を練り始めました。作品の芯には、私自身が強い情熱を感じるものが必要です。そして思い出したのが、丘、山、または屋上で、せわしい日常から離れて遠くを見渡した時の感覚。これをベースにしよう、と決めました。
4月にティムと知り合い構想を話したところ、賛同してくれました。私は最高の脚本家、そして一生の友人と出逢えたのです。ロンドンワークショップでは、更に作品を練り上げ細かい調整を行いました。世界初演となる東京公演が楽しみです。
日本の演劇界に私達を迎えてくださり、ありがとうございます。「BEFORE AFTER」はもはや私達だけのものではなく、皆さんの物語にもなったのです。どうか愛していただけますように。

ィモシー・ナップマン / Timothy Knapman (脚本)

いいミュージカルとは、観客の心に深い感動を残すものです。目の前で描かれる物語によって、自分の中に眠っていた感情に気付かされることも少なくありません。スチュアートからこの企画への参加を打診された時、即座にOKしました。都会の喧騒から離れた美しい丘で出逢う男女。彼女はすぐに彼―かつての恋人―の姿に気付くも、彼は彼女を覚えていない。彼らの過去に一体何があったのか、これから二人はどうなるのか。
スチュアートの構想は素晴らしいアイディアに満ちていましたが、逆に詰め込みすぎていたので、私の最初の仕事は、物語を必要最小限まで削ぎ落としていくことでした。
私達は、交互に書き進めていきました。私がシーンを書き、彼が歌を作る。その曲にインスパイアされ私が次のシーンを書く…と、最後まで夢中で書き上げました。この物語にはそうさせる魅力があったのです。9月には、大変有能なメンバーと共に、充実した2週間のワークショップを行うことができました。協力してくださった皆様に深く感謝します。また最後に、この企画を実現してくださった英美さんにも心からの感謝を。

本 吉成 / Yoshinari Nakamoto (演出)

イギリスで活躍なさっている、スチュアート・マシュー・プライスさんにお願いしてこのミュージカルは日本の為に産声を上げました。僕はいつも「少人数で、場所を選ばず」に出来るライブの様なミュージカルをやってみたいな、と思っていました。もちろんライブの様なというところが重要で、音楽が良くなければこの企画が成立しないと言う事は明らかでした。そんな時、吉田英美さんからスチュアートさんの紹介を受けました。彼の音楽を聴いて、これなら間違いない!!と思い「BEFORE AFTER」を依頼しました。
思いっきり日本人には無いセンスを用いた、少し大人のラヴストーリーを書いて下さい、というだけの無茶ぶりで、イギリスから素晴らしい作品が届きました。このミュージカルが小、中劇場を問わず、ライヴハウスなどで日本のミュージカル役者に長く愛され続けていく事を望みます。

田 英美 / Emi Yoshida (翻訳・訳詞)

「海外産のオリジナル作品を作りたい」と中本さんから相談を受けた時、ぜひスチュアート・マシュー・プライス氏に依頼したいと即答しました。彼の生み出すメロディーを聴いていると、音楽は世界共通の言語だということを実感するのです。彼なら間違いありません!と自信を持って中本さんにご紹介しました。そうして生まれたのが、この作品です。
世界的に活躍し、今後もウェストエンドをリードしていくだろう人材が集まったロンドンワークショップは、それはそれは刺激的な現場でした。それを経ての、日本での稽古。
UKチームと同様に、一人一人が意欲と熱意、誇りと喜びを持ってアイディアを出し合い、意見を交わし作り上げてきました。スチュアートとティムもメールやSkypeで参加してくれ、ロンドンで作ったものを日本で上演するのではなく、進化させていくという共通の意識を持ってここまできました。
スチュアート、
UKチームの皆さん、そしてこのような機会を与えてくださった中本さん始め、ミュージカル座の皆さんに心から感謝します。長く上演され、多くの方々に愛される作品となりますように。

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